わが家は、何から始めればいい? 10の質問でわかる、すでに整っているところ
フェーズフリーな暮らし|わが家の10の質問
わが家は、何から始めればいい? 10の質問でわかる、すでに整っているところ
本質の防災4STEP
この記事は、4つのSTEPすべての入口になるページです。答えたあとに、あなたが最初に見るとよいSTEPが決まります。
これは、できていないことを探すための10問ではありません。すでに整っているところを、先に見つけるための10問です。
紙とえんぴつがあれば、10分ほどで終わります。ご家族と一緒に答えると、答えが分かれるところが出てきます。そこがいちばんの収穫になることも多いです。
30秒でわかるまとめ
このページが目指すこと
「何から始めればいいか分からない」が、「うちは、ここから始めよう」に変わる。10分ほどでその一歩が決まっている——そんな状態をつくることを、このページでは目指します。読み終えたあとに、次に読む記事が3本だけ決まっていれば十分です。
印刷して使えるシート(A4・2ページ)
10問と採点欄、結果の読み方までを1枚にまとめたPDFです。登録は要りません。そのままダウンロードできます。ご家族で1枚ずつ書いてみると、答えが分かれるところが見つかります。そこがいちばんの収穫になることも多いです。
- 記入欄は「1回目」「2回目」の2列。1年後に、同じ紙へ書き足せます
- 記事名にリンクを入れてあるので、スマホで開けばそのまま読み進められます
この記事でわかること
- 10の質問と、その答え方・点数のつけ方
- なぜ「土地・家・暮らし・体・行動」の5つで見るのか
- 点数が低い領域との、責めない付き合い方
- あなたのタイプ別に、次に読むとよい記事3本
- 家族と一緒に書き込めるシートの受け取り方
「何から始めればいいか、分からなくなっちゃった」

ふくぼう先生、記事がたくさんありすぎて、ぼく、何から始めればいいのか分からなくなっちゃった。

いいところに気づきましたね。実は、みんなに共通する「最初の一歩」というものは、たぶんないんです。まずは、とらまるくんの家がどこまでできているかを見てみましょうか。
入口は、人によって違う
このサイトには、いま100本を超える記事があります。書きながら少しずつ分かってきたのは、「まずこれをやりましょう」という共通の一歩は、たぶん存在しないということでした。
マンションの高層階に住んでいる人と、川のそばの平屋に住んでいる人とでは、最初に見るべきものが違います。小さな子どもがいる家と、高齢の親と暮らす家でも違います。だからこのページでは、順番を決める前に、いまどこが整っているかを知るところから始めます。
足りないものより、できていることのほうが多い
内閣府が令和7年8月から9月にかけて行った防災に関する世論調査では、大地震に備えてとっている対策をたずねています。全国の18歳以上3,000人を対象にした郵送調査で、1,707人から有効な回答がありました。回答が多かった順に、こうなっていました。
- 停電時に作動する足元灯や懐中電灯などを準備している……51.3%
- 食料・飲料水、日用品、医薬品などを準備している……46.1%
- 家具・家電などを固定し、転倒・落下・移動を防止している……37.6%
- 近くの学校や公民館などの避難場所・避難経路を決めている……37.0%
そして「特に対策は取っていない」と答えた人は13.5%でした。
裏を返せば、9割近い人が何かはしている。けれど、いちばん多い項目でも半数を少し超えるくらいです。つまり多くの家庭は、できているところとこれからのところが混ざった状態にある——そう読めます。だとすれば、最初にすべきなのは足りないものを数えることではなく、すでにできているところを見つけることではないか。この10問は、その考えでつくりました。
住んでいる場所のこと
最初の2問は、家の中ではなく、家の外の話です。同じ地震でも、同じ雨でも、土地によって起きることが変わるからです。
お住まいの地域のハザードマップを、自分で開いて見たことがありますか。
できている=2点/たぶんできている=1点/まだ=0点
家から避難場所までの道を、2通り思い浮かべられますか。
できている=2点/たぶんできている=1点/まだ=0点
Q1で「たぶん」を選んだ方は、たぶん多いと思います。見た記憶はあるけれど、自分の家がどの色だったかまでは覚えていない——そのことについては「見たことがある気がする」で確認をすませてしまう心の仕組みで書きました。Q2は、道が1本しかないと、その道が通れないときに止まってしまう、という話です(避難経路は1本じゃ足りない)。
同じ調査では、家族と話し合う内容として「避難場所・避難経路について」が重要だと答えた人が79.1%いました。ところが、実際に「近くの学校や公民館などの避難場所・避難経路を決めている」と答えた人は37.0%です。大事だと思っていることと、決めてあることのあいだには、これだけの開きがあります。
家の中のこと
次の2問は、いま座っている家の中の話です。買い足すものの話ではありません。
寝ている場所のまわりから、倒れてきたら困るものをどけてありますか。
できている=2点/たぶんできている=1点/まだ=0点
停電した夜、灯りをどこから取るかが決まっていますか。
できている=2点/たぶんできている=1点/まだ=0点
Q4は「持っているか」ではなく「決まっているか」を聞いています。懐中電灯があっても、暗い中でどこにあるか思い出せなければ、同じことになってしまうからです。灯りと情報の取り方は停電した夜でも、情報だけは届く家にしておくにまとめています。
食べるものと、水のこと
ここが、このサイトがいちばん大事にしている領域です。特別な棚をつくったかどうかではなく、いつもの暮らしがそのまま備えになっているかを聞きます。
いつも食べているもので、3日分の食事がまかなえそうですか。
できている=2点/たぶんできている=1点/まだ=0点
水を、飲む以外の使い道(手を洗う・トイレ)でも考えたことがありますか。
できている=2点/たぶんできている=1点/まだ=0点
Q5で「まだ」だった方も、心配はいりません。買い物の順番を少し変えるだけで届く範囲です(食材を無駄にせず節約しながら自然と備えができる)。Q6は、水の使い道が飲む以外にもあることに気づくための質問です。トイレが流せないときと手が洗えないときで、それぞれ書きました。
同じ調査で「3日分以上備蓄しているもの」をたずねた結果を見ると、飲料水は69.8%、食料品は59.8%。一方で、携帯トイレ・簡易トイレは27.2%でした。飲む水のことは考えていても、流せないときのことまでは、まだ手が回っていないご家庭が多いようです。
家族の体のこと
ここは、モノでは代わりがきかない領域です。
家族の常用薬やアレルギーを、あなた以外の家族も答えられますか。
できている=2点/たぶんできている=1点/まだ=0点
ふだんの食事が、そのまま体の備えになっていると感じますか。
できている=2点/たぶんできている=1点/まだ=0点
Q7は、家族の中で一人しか知らない情報がないかを見る質問です。その一人が、そのとき一緒にいるとはかぎりません。Q8に正解はありません。ただ、国際中医薬膳師の視点も交えて考えると、体を整える食事と、備えになる食事は、かなりの部分が重なります(季節の変わり目を、いつもの食卓のまま整える暮らし方)。
決めごとのこと
最後の2問は、お金も道具もいりません。話して決めておくだけの領域です。
家族とはぐれたとき、どこで会うかが決まっていますか。
できている=2点/たぶんできている=1点/まだ=0点
連絡がつかないとき、次に何をするかが決まっていますか。
できている=2点/たぶんできている=1点/まだ=0点
この2問は、10問のなかでいちばん早く点数を上げられるところでもあります。今夜の食卓で話すだけで、0点が2点になることがあります(どこで会うか、家族と決めずに過ごしてしまう心の仕組み/電話もLINEも使えない日に、家族と会うための準備)。
先ほどの調査では、話し合う内容として「家族や親族との連絡手段について」が重要だと答えた人は54.1%でした。前回の調査の59.1%から、むしろ下がっています。大事だとは思っていても、話す機会がないままになりやすいところなのだと思います。
点数のつけ方と、その読み方
できている=2点、たぶんできている=1点、まだ=0点。各領域は2問なので4点満点、合計20点満点です。
まず、いちばん点数が高かった領域を見てください。そこが、あなたの家がすでに整えてきたところです。次に、いちばん点数が低かった領域を見ます。そこが、これから伸ばせるところです。順番はこの通りにしてください。逆にすると、できていることが見えなくなってしまいます。
この点数は、危険度をあらわすものではありません。次にどこから手をつけるかの目印として使ってください。
点が低いところほど、この先が面白い
長年の現場経験と、講話でお会いしてきた親子さんのお話から感じてきたのは、全部が整っている家は、そう多くないということです。それでも、どのご家庭にも「ここは強い」と思えるところがありました。しかも、その強い場所は家によって違いますし、同じ家の中でも人によって違います。講話のあとでお話をうかがうと、テーマによってはお子さんのほうがよく知っていた、ということも珍しくありません。
点数が低い領域は、まだ手をつけていないというだけのことです。手をつけていないということは、これから変えられる余地がいちばん大きいということでもあります。整っている領域は、すでに何年もかけて積み上げてきたもの。急に増やせるものではありません。だから、伸びしろのあるほうから手をつけたほうが、変化を感じやすいと考えています。
いちばん点が低かった領域から、次の3本を選ぶ
全部を読む必要はありません。当てはまるところの3本だけ、順番に読んでみてください。同じ点数の領域が2つあったときは、上にあるほうから始めるのがおすすめです。
土地から整えるタイプ(領域1がいちばん低かった方)
まずは、家の外を知るところからです。ここが分かると、家の中の備えの効き方が変わります。
家から整えるタイプ(領域2がいちばん低かった方)
買い足すより先に、いま家にあるものの置き場所を見直すところからです。
暮らしから整えるタイプ(領域3がいちばん低かった方)
特別な棚はつくりません。いつもの買い物の順番を、少しだけ変えるところからです。
食と体から整えるタイプ(領域4がいちばん低かった方)
いちばん時間はかかりますが、いちばん日常に近い領域でもあります。
行動から整えるタイプ(領域5がいちばん低かった方)
今夜の食卓で話すだけで、点数が動く領域です。いちばん早く変わります。
今日からできる小さな一歩
すべてを一度に見直す必要はありません。まずは1つだけ試してみてください。
いちばん点が高かった領域を、家族に声に出して言ってみる
Q9とQ10を、今夜の食卓で家族に聞いてみる
いちばん点が低かった領域から、記事を1本だけ読む
3つ全部でなくてかまいません。今日は1点増えれば十分だと考えています。
とらまるくんと考えてみよう

はい。20点満点は、いつか届けばいい目印です。一度に全部を埋めようとすると、たいてい続きません。今日は1点増えれば十分だと考えています。来年もう一度この10問に答えたとき、去年より1点上がっていたら、それは1年かけて暮らしが整ったということですから。
10の質問について よくあるご質問
点数が低いと、危ないということですか?
いいえ。この点数は危険度をあらわすものではありません。10問はどれも「決まっているか」「見たことがあるか」を聞くもので、住んでいる土地の条件や家族構成によって、そもそも当てはまり方が変わります。次にどこから手をつけるかの目印として使ってください。
家族によって答えが違いました。どうすればいいですか?
その違いが分かったこと自体が、いちばん大きな収穫だと思います。とくにQ7(常用薬やアレルギー)とQ9・Q10(会う場所と次の行動)は、家族の中で答えがそろっていることに意味があります。点数は、いちばん低い人の答えに合わせておくと安全側に立てます。
何点を目指せばいいですか?
目標の点数はあえて決めていません。20点になった状態がゴールというより、年に一度なぞり直したときに前より1点上がっている、という続き方のほうが暮らしになじむと考えています。
どのくらいの間隔で、やり直せばいいですか?
1年に一度で十分だと考えています。日にちを決めておくと忘れにくくなります。9月1日を目印にする考え方は9月1日は、新しく始める日ではなく、一度決めたことを見直す日にするで書きました。
市販のチェックリストとは、何が違いますか?
市販のものは「持ちものの一覧」であることが多く、この10問は「決まっているか」を聞いています。持ちものだけをそろえると、人と同じものを買って安心してしまうことがあります。そのことは備えグッズのチェックリストについて、「人と同じなら安心」で選んでしまう心の仕組みに書きました。
この記事のポイント
- 10の質問は、できていないことを探すためではなく、すでに整っているところを先に見つけるためのもの。
- 土地・家・暮らし・体・行動の5領域から2問ずつ。各4点・合計20点満点。
- 内閣府の世論調査(令和7年8月調査)では「特に対策は取っていない」は13.5%。多くの家庭は、できているところとこれからのところが混ざった状態にある。
- 点数は危険度ではなく、次にどこから手をつけるかの目印。まず高いところを見てから、低いところを見る。
- 年に一度なぞり直して、前より1点上がっていればそれで十分。
今日は、1点増えれば十分です
10問すべてに2点をつけられる家は、たぶんほとんどありません。それでいいのだと思います。大事なのは、いま何点かではなく、自分の家がどこから始めればいいかが分かっていることです。今日いちばん点が低かった領域から、記事を1本だけ読んでみてください。それだけで、次の1点は近づきます。印刷用のシートもありますので、ご家族で書いてみるのもおすすめです。
日常を整えることが、そのまま非常時の安心につながる。
とらまる
一緒に学ぶ仲間
白いしっぽの先がチャームポイントの、好奇心いっぱいのトラの子。わからないことは素直に「どうして?」と聞くのが得意で、みんなの「聞きたいけど聞けない」を代わりに聞いてくれます。
ふくぼう先生からもらった「まなびのスカーフ」が自慢です。
▶ とらまるのプロフィールはこちら ›あわせて読みたい記事
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