9月1日、子どもに「きょうは なんの日?」と聞かれたら
子どもと家族の安全|暦と季節の記事
9月1日、子どもに「きょうは なんの日?」と聞かれたら
子どもと家族の安全|暦に寄り添う記事
この記事は、暦の節目に合わせて日常を整える「フェーズフリーな暮らし」の記事です。9月1日を子どもにどう伝えるかという言葉の話と、その日にやることをひとつに絞る考え方をまとめました。
子どもに「きょうは なんの日?」と聞かれたとき、こわい話をしなくても、ひとことで答えられます。むずかしい説明より、いっしょに家のなかを歩くほうが、子どもには届きやすいと考えています。
園や学校では何を目指しているのか。家では、どんな言葉なら伝わるのか。順番に見ていきましょう。
30秒でわかるまとめ
このページが目指すこと
「きょうは なんの日?」と聞かれたときに、こわい話にせずに答えられる。そのうえで、その日に家族でやることがひとつだけ決まっている——そんな状態をつくることを、このページでは目指します。
この記事でわかること
- 子どもに聞かれたときの、ひとことの答え方
- 幼稚園や学校が、この日に目指していること
- こわい言葉を、動作の言葉に置き換える方法
- やることをひとつだけに絞るという過ごし方
- 子どもと歩きながら見る、3つの場所
「きょうって、なんの日なの?」

ねえふくぼう先生、9月1日って、なんの日なの?おともだちが「こわい日だよ」って言ってたんだけど。

こわい日ではありませんよ。むかし大きな地震があった日で、いまは「みんなで一度、家のなかを見てみる日」になっています。子どもには、それくらいの言い方で足りると考えています。
聞かれてから、言葉をさがすことになる
9月1日が近づくと、園や学校で訓練があります。帰ってきた子どもが「きょう、じしんのれんしゅうした」と言う。そこで「なんの日なの?」と聞かれて、答えに詰まる。この日は、そういう場面から始まることが多いように思います。
困るのは、知らないからではありません。正しく説明しようとするほど、話が重くなってしまうからです。先にひとことだけ決めておくと、その場で迷わずに済みます。
幼児期に求められているのは、知識ではない
文部科学省が公開している学校防災のための参考資料には、幼稚園段階で目指す姿として「安全に生活し、緊急時に教職員や保護者の指示に従い、落ち着いて素早く行動できる幼児」と記されています。覚えるべき知識の量ではなく、その場で体が動くかどうかが置かれています。
では、家では何を言えばいいのでしょうか。内閣府の防災白書は、関東大震災の発生日である9月1日が閣議了解により「防災の日」と定められたと説明しています。子どもに向けては、この一文を短くした「むかし、大きな地震があった日」で足ります。あわせて東京消防庁は、この日が暦の上の二百十日にあたり、台風シーズンの入口として古くから意識されてきたことを紹介しています。ここも子どもに伝えやすいところです。
「かぜが強くなる季節の入口でもあるんだよ」と足すと、地震の話だけに寄りません。二百十日は、立春から数えて210日目にあたる雑節です。年によって前後しますが、国立天文台の暦要項では、2026年の二百十日は9月1日とされています。
つまり、子どもに伝える中身は「大きな地震があった日」と「風の強い季節の入口」の二つで足ります。どちらも、こわがらせずに言えます。
こわい言葉を、動作の言葉に置き換える
「あぶないよ」「気をつけてね」——こうした言葉は耳には残りますが、そのときに体をどう動かせばいいかまでは伝わりません。
文部科学省の資料では、幼児期に求められる姿のひとつとして「安全・危険な場や危険を回避する行動の仕方が分かり、素早く安全に行動する」ことが挙げられています。同じ資料の配慮事項には、安全に関する指導では情緒の安定を図り、遊びを通して体を動かせるようにする、と書かれています。家庭でも同じで、こわがらせない言い方を選んでよいと考えています。
「地震がきたらこわい」ではなく「ゆれたら、つくえの下にもぐる」。「火事はあぶない」ではなく「けむりが見えたら、あたまを低くして外へ出る」。こわさではなく、体の動かし方を言葉にします。
その日にやることは、ひとつでいい
一日でいくつも教えようとすると、子どもも大人も疲れてしまいます。9月1日にやることは、家のなかを一緒に歩くこと、ひとつで十分だと考えています。
寝ている場所の頭の上。子どもと寝ころんで、上に何があるかを一緒に見上げる
子ども部屋の家具。「これ、たおれてきたらどうする?」と聞いてみる
3つとも回らなくてかまいません。子どもが自分の口で答えたなら、それで十分——その日のねらいは、そこまでで足りています。
一年たつと、子どものできることが変わっている
去年通じた言い方が、今年はもう幼く聞こえる。逆に、去年は届かなかった話が、今年はすっと入る。自分で歩く距離が伸びた。ひとりで留守番をする時間ができた。背が伸びて、家具の見え方が変わった。
年に一度、同じことを聞いてみるのは、その変化に気づくためです。そう考えると、この日は教える日ではなく、子どもの一年ぶんの成長を確かめる日だと言えるのかもしれません。
長年の現場経験のなかで、また講話の場で感じてきたことがあります。子どもが知りたいのは「どれくらいこわいか」ではなく「そのとき、どうすればいいか」のほうだ、ということです。動き方を先に伝える。そのほうが、話を聞く子どもの顔つきが変わると感じています。
今日からできる小さな一歩
すべてを一度に見直す必要はありません。まずは1つだけ試してみてください。
「きょうは なんの日?」と聞かれたときの答えを、ひとことだけ決めておく
寝る前に、子どもと一緒に天井を見上げて「上に何がある?」と聞いてみる
8月30日から9月5日のうち、家のなかを一緒に歩く日をひとつ選んでおく
まずは今日、ひとつ試してみるところから。それだけで十分な一歩です。
とらまるくんと考えてみよう

そうですね。こわさを知ることと、動けるようになることは別のものになりますよ。文部科学省の資料でも、幼児期は情緒の安定を図りながら、遊びを通して身につけるものとされています。家のなかを一緒に歩く時間は、それにいちばん近いと考えています。
子どもへの伝え方 よくある質問
子どもには、何歳から説明すればいいですか?
年齢で線を引くより、言葉を変えていくほうが現実的だと考えています。文部科学省の資料では、幼稚園段階で目指す姿は「落ち着いて素早く行動できる幼児」とされています。まずは「ゆれたら、つくえの下」のような動作の言葉から始めて、理由は聞かれたときに答える。その順番で十分です。
「防災の日」と「防災週間」は違うのですか?
「防災の日」は9月1日の一日です。内閣府によると、令和8年度の防災週間は8月30日から9月5日です。一日でやりきろうとせず、この一週間のどこかで、と考えておくと気が楽になります。
園の訓練をこわがって帰ってきました。どうすればいいですか?
こわかったという気持ちを、まず言葉にしてもらうのがよいと考えています。そのうえで、できたところをひとつ挙げる。文部科学省の資料でも、安全に関する指導では情緒の安定を図ることが配慮事項として挙げられています。
地震の映像を見せたほうが、伝わりますか?
映像でこわさを伝えるより、体の動かし方を一緒にやってみるほうが、幼い子には届きやすいと考えています。文部科学省の資料でも、幼児期は遊びを通して機敏に体を動かせるようにすることが挙げられています。見せる前に、まず一緒にやってみる。その順番をおすすめしています。
9月1日の由来を、もう少しくわしく知りたいのですが。
この記事は、子どもへの伝え方に絞っています。9月1日という日の成り立ちをたどった記事に、二百十日と関東大震災が重なった経緯や、大人の過ごし方をまとめています。
この記事のポイント
- 子どもには「むかし、大きな地震があった日」で足りる。理由から話さなくてよい。
- 文部科学省の資料では、幼稚園段階で目指す姿は知識ではなく「落ち着いて素早く行動できる」こと。
- こわい言葉ではなく、動作の言葉に置き換える。「ゆれたら、つくえの下」。
- その日にやることは、家のなかを一緒に歩くこと、ひとつでいい。
聞かれたときが、いちばん伝わるとき
子どもが「なんの日?」と聞いてくるのは、聞く準備ができているということです。そこで長い説明を始めなくてもかまいません。ひとこと答えて、あとは一緒に家のなかを歩く。歩きながら「ここ、たおれてきそうだね」と言い合った記憶のほうが、たぶん長く残ります。
日常を整えることが、そのまま非常時の安心につながる。
とらまる
一緒に学ぶ仲間
白いしっぽの先がチャームポイントの、好奇心いっぱいのトラの子。わからないことは素直に「どうして?」と聞くのが得意で、みんなの「聞きたいけど聞けない」を代わりに聞いてくれます。
ふくぼう先生からもらった「まなびのスカーフ」が自慢です。
▶ とらまるのプロフィールはこちら ›関連記事
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