きゅうりやトマト、実は夏の水分補給に向いていた

きゅうりやトマト、すいかなどの夏野菜と麦茶が並ぶ日本の食卓
のりまつ

STEP3|暮らしの設計図

きゅうりやトマト、実は夏の水分補給に向いていた

POSITION

本質の防災4STEP

この記事は、本質の防災4STEPの「STEP3|暮らしを整える」の記事です。

暑い日、冷たい飲み物ばかりに頼っていませんか。実はきゅうりやトマトのような夏野菜のほうが、体にとっては理にかなった水分補給になっていることがあります。

冷蔵庫でよく冷やして食べる夏野菜が、そのまま体を整える水分補給になっていた——そんな暮らしの工夫を、国際中医薬膳師の視点も交えながら、今日は一緒に整理していきましょう。

30 SEC SUMMARY

30秒でわかるまとめ

中医薬膳の考え方では、きゅうりやトマト、すいかなどは「涼性」とされ、夏に体の熱を取る食材として好まれてきました。
きゅうりは可食部の約95%が水分で、豊富に含まれるカリウムには体内の水分・塩分バランスを整える働きがあるとされています。
体験談・東洋医学・西洋医学。出発点が違う3つの視点が同じ方向を示しているとき、その情報はより納得できるものになります。
塩分補給には梅干しのような、常温で保存でき、備蓄にも向いている食材が役立ちます。
GOAL

このページが目指すこと

冷たい飲み物を我慢しましょう、という話が目的ではありません。夏野菜が持っている水分補給の視点を知った上で、無理なく取り入れられる食べ方をお伝えすることが目標です。

今日はまず、中医薬膳における「涼性」という考え方から一緒に確認していきましょう。

FOR YOU

この記事でわかること

  • 中医薬膳における「涼性」食材の考え方
  • きゅうりの水分含有率と、カリウムの働き
  • 体験談・東洋医学・西洋医学、3つの視点が同じ方向を示すときの考え方
  • 塩分補給と備蓄の共通点(梅干しという食材)
  • 生活用品をどれくらいの日数分備えておくかとあわせて考える視点
QUESTION

「冷たい飲み物、飲みすぎてもいいのかな?」

とらまるくん
とらまるくん
暑い日は、冷たいジュースをたくさん飲んじゃうんだけど、飲みすぎてもいいのかな?
ふくぼう先生
ふくぼう先生

冷たい飲み物ばかりだと、お腹の調子を崩しやすいともいわれています。

きゅうりやトマトのような夏野菜を一品添えると、水分補給の仕方も少し変わってきますよ。

INTRODUCTION

冷やして食べる夏野菜が、そのまま水分補給になっていた

冷やしたきゅうりを味噌をつけてかじる。冷奴にトマトを添える。暑い季節、さっぱりと食べたいという理由で選んでいる食べ方ではないでしょうか。

「水分補給のために野菜を食べましょう」という入口だと、なかなか続きません。でも「さっぱりして美味しいから」という理由で選んでいる夏野菜が、実は理にかなった水分補給になっていた——そんな順番なら、無理なく続けられます。

好きで選んでいた夏野菜が、気づけば水分補給にもなっていた。それが、この記事でお伝えしたい考え方です。

STORY|当たり前の食べ方、その理由

きゅうりやトマトを冷やして食べる、当たり前の夏の光景

暑い時期、きゅうりやトマトを冷やして食べる。子どもの頃から当たり前のように見てきた光景ではないでしょうか。

実際、なぜこれらを食べるのかと聞かれたら、「さっぱりして美味しいから」「暑い日に食べたくなるから」と答える方がほとんどだと思います。それ自体、間違いではありません。

ただ、この当たり前の食べ方には、味覚だけでは説明のつかない、もう一つの理由があるといわれています。

ここからは、東洋医学と西洋医学、それぞれの視点から確かめていきましょう。

食材選びを、東洋医学(中医薬膳)と西洋医学・栄養学、両方の視点から見ていきます。一方だけに偏らず、両方の視点を知っておくと、日々の食材選びがより納得できるものになります。

CHECK POINT①|東洋医学(中医薬膳)の視点

1つ目|東洋医学(中医薬膳)の「涼性」という考え方を知る

中医薬膳の考え方では、きゅうりやトマト、すいか、冬瓜(とうがん)などは「涼性」とされ、体にこもった熱を取る食材として、夏に好まれてきました。一方で、氷をたくさん使った冷たい飲み物を摂りすぎることは、胃腸(脾胃)を冷やしすぎるとして、あまりすすめられてこなかったといわれています。

涼性とされる食材の例

きゅうり・トマト・すいか・冬瓜・なすなど。夏によく食べる野菜には、涼性とされるものが多いといわれています。常温や、冷やしすぎない程度の温度で食べることが、昔からの知恵として伝えられてきました。

CHECK POINT②|西洋医学・栄養学の視点

2つ目|西洋医学・栄養学のエビデンスも合わせて見てみる

東洋医学の視点だけでなく、西洋医学や栄養学の視点からも、これらの食材の位置づけを見てみましょう。

食材でみる:きゅうりの場合

きゅうりは可食部の約95%が水分だといわれ、野菜の中でも特に水分含有量が高い食材です。また、豊富に含まれるカリウムには、体内の余分なナトリウム(塩分)を排出し、体の水分・塩分バランスを整える働きがあるとされています。これは水分補給そのものを増やす働きというより、体内の水分バランスを整える働きとして理解しておくとよいでしょう。

東洋医学で「きゅうりは体の熱を取る涼性食材」とされてきたことと、水分・カリウムを豊富に含むという栄養学的な特徴が、結果として同じ方向を示しているのは興味深いところです。

客観的な情報として押さえておきたいこと

きゅうりを食べれば水分補給が万全というわけではなく、あくまで日々の水分補給を補う食材の一つとして捉えるのが基本です。東洋医学的な視点と栄養学的な視点、どちらか一方に偏らず、両方を参考にしながら日々の食卓を整えていくことをおすすめします。

POINT OF VIEW|3つの視点が重なるとき

体験・東洋医学・西洋医学、3つの視点が同じ方向を示している

ここまでを振り返ってみましょう。誰もが当たり前のように見てきた「きゅうりやトマトを冷やして食べる」という光景は、味覚的な理由だけで語られがちでした。しかし東洋医学では、きゅうりのような涼性食材は体の熱を取り、冷たい飲み物の摂りすぎは胃腸を冷やしすぎるとされてきました。西洋医学的には、きゅうりは水分含有率が高く、カリウムが体の水分・塩分バランスを整えるといわれています。出発点はそれぞれ違いますが、「冷たい飲み物より、水分の多い夏野菜を取り入れるほうが、体にとって無理がない」という結論は同じ方向を示しています。

ひとつの視点だけで判断するのではなく、体験・伝統的な知恵・科学的な知見という複数の視点が同じ方向を示しているとき、その情報はより納得できるものになります。この記事できゅうりを例に取り上げたのも、そうした重なりがわかりやすい食材だったからです。

CHECK POINT③|塩分補給と備蓄の共通点

3つ目|塩分補給と、備蓄に向いた食材の共通点

大量に汗をかいたときは、水分だけでなく塩分の補給も大切だといわれています。梅干しは、塩分とクエン酸を含み、常温で長く保存できる食材です。麦茶も、常温で作り置きしやすく、家族で飲み慣れている家庭も多いのではないでしょうか。

意識して備えておきたい食材

梅干し・麦茶のティーバッグ・塩昆布など。いずれも常温で保存でき、汗をかいた時期の塩分補給にも、日常の食卓にも使える食材です。自宅での水のためおき方とあわせて、少し多めに常備しておくと安心です。

CHECK POINT④|季節・場面に応じた取り入れ方

4つ目|季節や場面に合わせた、水分補給の使い分け

特別なレシピを覚える必要はありません。家でゆっくり過ごす時は、冷やしたきゅうりやトマトを副菜に。外出時や汗を大量にかいた場面では、梅干し入りの麦茶や、少量の塩をとりながら水分を補給する。同じ「水分補給」でも、場面によって使い分けられる食材があります。

使いながら買い足していくローリングストックの考え方は、こうした食材選びにもそのまま活かせます。日持ちする食材を少し多めに常備しておくと、季節を問わず安心です。

ふくぼう先生
FIELD MEMO ふくぼう先生メモ

国際中医薬膳師の視点でも、栄養学的な視点でも、暑い時期は冷たい飲み物だけに頼らず、水分の多い夏野菜を上手に取り入れることが、体への負担を減らす工夫の一つだといわれています。

「水分補給のために」と身構えるより、「さっぱりして美味しいから」という理由で夏野菜を選ぶ方が、結果的に長く続けられると感じています。

ACTION|今日からできる小さな一歩

今日からできる、3つの小さな一歩

すべてを一度に見直す必要はありません。まずは1つだけ試してみてください。

一歩①

今日の食卓に、冷やしたきゅうりやトマトを一品添えてみる

一歩②

冷たい飲み物の量を、いつもより少し控えめにしてみる

一歩③

梅干しや麦茶のティーバッグを、少し多めに常備しておく

まずは今日の食卓に、ひとつ加えてみるところから。それだけで十分な一歩です。

THINK TOGETHER

とらまるくんと考えてみよう

とらまるくん
とらまるくん
今日のおやつ、冷やしたきゅうりにしてみようかな!
ふくぼう先生
ふくぼう先生より

冷たい飲み物をやめる必要はありません。夏野菜を一品添えるだけで、水分補給の仕方が少し変わってきます。

好きな夏野菜を選んでいたら、気づけば水分補給にもなっていた。それくらい気軽に考えてもらえたら嬉しいです。

FAQ

夏の水分補給と薬膳 よくある質問

冷たい飲み物を飲んではいけないのですか?

冷たい飲み物を完全に避ける必要はありません。ただし、氷をたくさん使った飲み物ばかりに頼ると、お腹の調子を崩しやすいともいわれています。冷やした夏野菜を一品添えるなど、飲み物以外からの水分補給も取り入れてみることをおすすめします。

きゅうり以外に、水分補給に向いた野菜はありますか?

トマトやすいか、冬瓜なども水分含有量が高く、中医薬膳では涼性とされることが多い野菜です。旬の時期に合わせて、いろいろな夏野菜を試してみるとよいでしょう。

汗をたくさんかいた時は、水だけ飲んでいれば大丈夫ですか?

大量に汗をかいた時は、水分だけでなく塩分も一緒に失われるといわれています。梅干しや塩昆布など、塩分を含む食材もあわせて摂ることをおすすめします。

なぜ体験談・東洋医学・西洋医学の3つを紹介しているのですか?

ひとつの視点だけで判断するより、出発点の異なる複数の視点が同じ方向を示しているときの方が、情報として納得しやすいと考えているためです。体験談だけでも、理論だけでも、どちらか一方に偏らないようにお伝えすることを心がけています。

POINT

この記事のポイント

  • 中医薬膳の考え方では、きゅうりやトマトなどは体の熱を取る「涼性」食材とされる。
  • きゅうりは可食部の約95%が水分で、カリウムが体の水分・塩分バランスを整えるといわれている。
  • 体験談・東洋医学・西洋医学、出発点の異なる3つの視点が同じ方向を示すとき、情報への納得感が増す。
  • 梅干しや麦茶など、常温保存できる食材は塩分補給にも備蓄にも役立つ。
  • 今日、まずは食卓に冷やした夏野菜をひとつ加えてみるところから始める。
SUMMARY

まとめ

夏の水分補給は、冷たい飲み物をがまんすることではありませんでした。

「きゅうりやトマトを冷やして食べる」という、誰もが当たり前に見てきた光景。「きゅうりは体の熱を取る涼性食材」とする東洋医学の考え方、「きゅうりは水分・カリウムが豊富」という西洋医学的な知見。3つの視点が同じ方向を示していたことが、この食材選びの納得感を後押ししてくれます。さっぱりして美味しいから選んでいる夏野菜が、実は理にかなった水分補給になっている。塩分補給には、梅干しのような常温保存できる食材を備えておく。どれも特別な工夫はいりません。それが、この記事でお伝えしたかった考え方です。

今日、まずは食卓に冷やした夏野菜をひとつ加えてみてください。それだけが、無理なく続く水分補給を整える入口になります。


日常を整えることが、そのまま非常時の安心につながる。

とらまるくん

とらまる

一緒に学ぶ仲間

白いしっぽの先がチャームポイントの、好奇心いっぱいのトラの子。わからないことは素直に「どうして?」と聞くのが得意で、みんなの「聞きたいけど聞けない」を代わりに聞いてくれます。

ふくぼう先生からもらった「まなびのスカーフ」が自慢です。

▶ とらまるのプロフィールはこちら
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ふくぼう先生
ふくぼう先生
元消防士・防災士
安心して暮らせる毎日を日常の習慣から。 元消防士・防災士として長年の現場経験を通じて、さまざまな災害と向き合ってきました その経験から辿り着いた答えは 「日常を整えることが最高の備えになる」 ということでした。 防災を特別なものにせず日常と非常時をつなぐ知恵をお伝えしています。
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