夏バテ気味の日ににんにく料理を選ぶ、実は理由があった
STEP3|暮らしの設計図
夏バテ気味の日ににんにく料理を選ぶ、実は理由があった
夏バテ気味の日、焼肉屋のメニューで「にんにくたっぷり」のスタミナ丼や餃子を、なんとなく選んでいませんか。
「スタミナがつくから」「元気が出るから」——それだけで片付けていませんか。国際中医薬膳師の視点も交えながら、今日は一緒に整理していきましょう。
30秒でわかるまとめ
このページが目指すこと
にんにくを食べれば必ずスタミナがつく、という話が目的ではありません。にんにくの抗菌作用や疲労回復に関わる働きについて実情に即した知識を持った上で、無理なく取り入れられる工夫をお伝えすることが目標です。
今日はまず、中医薬膳における「気血を巡らせる」という考え方から一緒に確認していきましょう。
この記事でわかること
- 中医薬膳におけるにんにくの「気血を巡らせる」「お腹の冷えに向く」という考え方
- アリシンの抗菌作用と、食中毒が気になるときに取り入れやすいとされる理由
- アリシンとビタミンB1が結合してアリチアミンとなり、吸収率を高めるとされる仕組み
- にんにくを無理なく取り入れる、場面に応じた工夫
- 免疫を整える食材、実は備蓄にも向いていた(生姜の話)とあわせて考える視点
「焼肉屋さんでにんにくたっぷりのメニューを選ぶのって、スタミナをつけるためだけなんだよね?」
実は、にんにくの香り成分には抗菌作用があるとされているんです。
それだけでなく、ビタミンB1の吸収を助ける働きもあるかもしれない、という話もあるんですよ。
「スタミナのため」だと思って選んでいたにんにくに、理由があった
焼肉屋やラーメン店でにんにくを追加する、餃子ににんにくを効かせる——そんな光景は、多くの家庭やお店で当たり前のように見られてきました。「スタミナがつくから」「元気が出るから」という理由で、なんとなく選んでいる方も多いのではないでしょうか。
「にんにくを食べれば夏バテが防げます」という入口だと身構えてしまいますが、「なんとなく元気が出る気がするから」という理由で選んでいたにんにくが、実は理にかなった昔ながらの知恵になっていた——そんな順番なら、無理なく続けられます。
好きで選んでいたスタミナ料理が、気づけば体を整える工夫にもなっていた。それが、この記事でお伝えしたい考え方です。
焼肉やスタミナ丼のにんにく、その理由を聞かれたら
夏バテ気味の日、焼肉屋のメニューで「にんにくたっぷり」のスタミナ丼を選ぶ。餃子のにんにくを増量する。この習慣は、昔から当たり前のように見られてきた光景ではないでしょうか。
実際、なぜにんにくを選ぶのかを聞かれたら、「スタミナがつくから」「元気が出るから」と答える方がほとんどだと思います。それ自体、間違いではありません。にんにくに気血を巡らせる働きがあるとされていること自体は、複数の解説記事でも確認できます。
ただ、このありふれた習慣には、なんとなくの元気づけだけでは説明のつかない、もう一つの側面があるといわれています。「にんにくを食べれば元気になる」という単純な思い込みだけでは片付けられない話が、実はあります。
ここからは、東洋医学と西洋医学、それぞれの視点から確かめていきましょう。
食材選びを、東洋医学(中医薬膳)と西洋医学・栄養学、両方の視点から見ていきます。一方だけに偏らず、両方の視点を知っておくと、日々の食材選びがより納得できるものになります。
1つ目|東洋医学(中医薬膳)の「気血を巡らせる」という考え方を知る
中医薬膳の考え方では、にんにくは五味が「辛」、五性が「温」に分類され、帰経は「脾・胃・肺」とされる食材として、古くから位置づけられてきたといわれています(出典:クラシエ「薬膳食材図鑑|にんにく(大蒜)」)。気血の巡りをよくし血行を促進するとされ、お腹の冷えなどに向くといわれています。また解毒作用があるとされ、食中毒が気になる方にも適していると紹介されています。生薬としては大蒜と呼ばれ、体を温める作用があるため、アトピーや吹き出物がある方は控えめにするとよいとされています。
にんにく・ねぎ・生姜など。香りや辛味の強い食材は、気血の巡りをよくし体を温めるとされ、疲れやすい季節の食卓に取り入れられてきた歴史があります。
2つ目|西洋医学・栄養学のエビデンスも合わせて見てみる
東洋医学の視点だけでなく、西洋医学や栄養学の視点からも、にんにくの位置づけを見てみましょう。
にんにく独特のにおいのもとであるアリシンには抗菌作用があるとされ、食中毒が気になる時期にも取り入れやすいといわれています。すりおろす・刻むなどしてにんにくの組織が壊れることで生成される成分とされています。
アリシンはビタミンB1と結合すると、アリチアミンという吸収されやすい形に変わるとされています。ビタミンB1は疲労回復に関わる栄養素として知られており、豚肉など多く含む食材と組み合わせることで、吸収率を高めることにつながるといわれています。効果を断定するものではなく、こうした組み合わせが昔から料理に取り入れられてきた背景として紹介するにとどめます。
にんにくを食べれば必ずスタミナがつくというわけではなく、加熱による刺激の緩和や、食べ過ぎに注意することも大切です。生のにんにくを空腹時に大量に摂取すると、胃腸への刺激が強く出ることがあるといわれています。東洋医学的な視点と栄養学的な視点、どちらか一方に偏らず、両方を参考にしながら日々の食卓を整えていくことをおすすめします。
習慣・東洋医学・西洋医学、3つの視点が同じ方向を示している
ここまでを振り返ってみましょう。誰もが当たり前のように見てきた「スタミナ料理ににんにくを選ぶ」という習慣は、なんとなくの元気づけの理由だけで語られがちでした。しかし東洋医学では、にんにくは気血を巡らせ体を温める食材とされてきました。西洋医学的には、香り成分アリシンに抗菌作用があるとされ、ビタミンB1の吸収を高めるとされる仕組みもあります。出発点はそれぞれ違いますが、「にんにくには理にかなった理由がある」という結論は同じ方向を示しています。
ひとつの視点だけで判断するのではなく、体験・伝統的な知恵・科学的な知見という複数の視点が同じ方向を示しているとき、その情報はより納得できるものになります。この記事でにんにくを例に取り上げたのも、そうした重なりがわかりやすい食材だったからです。
3つ目|にんにくと、体を温め気血を巡らせる食材の共通点
にんにくは五性が「温」に分類される、体を温めるとされる食材のひとつです。香りや辛味で気血の巡りをよくするという考え方は、生姜など他の香味野菜にも共通しています。
にんにく・生姜・ねぎなど。いずれも体を温め、気血の巡りをよくするとされる香りの強い食材で、疲れやすい季節の体調管理に取り入れやすい食材です。
4つ目|場面に合わせた、にんにくの取り入れ方
特別なレシピを覚える必要はありません。焼肉やスタミナ丼に添えられているにんにくを、残さず食べてみる。餃子やパスタに、刻んだにんにくを効かせてみる。加熱するとにおいや刺激が和らぐため、生のまま大量に食べるより、料理に取り入れる方が続けやすいという声もあります。
生のにんにくを空腹時に大量に食べると、胃腸への刺激が強く出ることがあるため、体調と相談しながら適量を心がけることも大切です。使いながら買い足していくローリングストックの考え方は、こうした食材選びにもそのまま活かせます。
国際中医薬膳師の視点でも、栄養学的な視点でも、にんにくは体を整える食材として位置づけられています。
「スタミナのため」と割り切ってしまうより、「巡りを整える働きもある」と知っておく方が、結果的に役立つ知恵になると感じています。
今日からできる、3つの小さな一歩
すべてを一度に見直す必要はありません。まずは1つだけ試してみてください。
焼肉やスタミナ丼に添えられているにんにくを、残さず食べてみる
餃子やパスタに、刻んだにんにくを効かせてみる
生のにんにくは空腹時の大量摂取を避け、加熱して取り入れる
まずは今日の食卓で、ひとつ試してみるところから。それだけで十分な一歩です。
とらまるくんと考えてみよう
昔ながらの組み合わせには、ちゃんと理由があることが多いんです。
好きなスタミナ料理を選んでいたら、気づけば体を整える工夫にもなっていた。それくらい気軽に考えてもらえたら嬉しいです。
にんにくと薬膳 よくある質問
にんにくを食べれば、必ずスタミナがつきますか?
にんにくの香り成分アリシンには抗菌作用があり、ビタミンB1の吸収を高めるとされていますが、食べれば必ずスタミナがつくというわけではありません。バランスの良い食事や十分な休養とあわせて考えることをおすすめします。
生のにんにくと加熱したにんにく、どちらがいいですか?
生のにんにくは刺激が強く、空腹時に大量に食べると胃腸への負担につながることがあります。加熱するとにおいや刺激が和らぐため、体調や食べ方に合わせて選ぶとよいでしょう。
にんにくはどのくらいの量を食べればよいですか?
具体的な必要量が確立されているわけではありません。焼肉やスタミナ丼に添えられている分を残さず食べる、餃子やパスタに取り入れるなど、日常の食事の中で無理なく続けられる範囲から始めるとよいでしょう。
なぜ習慣・東洋医学・西洋医学の3つを紹介しているのですか?
ひとつの視点だけで判断するより、出発点の異なる複数の視点が同じ方向を示しているときの方が、情報として納得しやすいと考えているためです。習慣だけでも、理論だけでも、どちらか一方に偏らないようにお伝えすることを心がけています。
この記事のポイント
- 中医薬膳の考え方では、にんにくは気血を巡らせ、お腹の冷えに向くとされる食材とされる。
- アリシンの抗菌作用が、食中毒が気になるときに取り入れやすいとされる理由のひとつ。
- アリシンがビタミンB1と結合しアリチアミンとなることで、吸収率を高めるとされる。
- 習慣・東洋医学・西洋医学、出発点の異なる3つの視点が同じ方向を示すとき、情報への納得感が増す。
- 生のにんにくは刺激が強いため、加熱や適量を意識した取り入れ方が大切。
- 今日、まずは焼肉やスタミナ丼に添えられているにんにくを、残さず食べてみるところから始める。
まとめ
にんにくを取り入れる工夫は、特別な健康法を始めることではありませんでした。
「スタミナ料理ににんにくを効かせる」という、誰もが当たり前に見てきた習慣。「にんにくは気血を巡らせ、お腹の冷えに向く」とする東洋医学の考え方、「アリシンには抗菌作用があり、ビタミンB1の吸収を高めるとされる」という西洋医学的な知見。3つの視点が同じ方向を示していたことが、この習慣の納得感を後押ししてくれます。ただし、にんにくを食べれば必ずスタミナがつくわけではないと知っておくことも、同じくらい大切です。残さず食べる、刻んで効かせる。どちらも特別な手間はいりません。それが、この記事でお伝えしたかった考え方です。
今日、まずは焼肉やスタミナ丼に添えられているにんにくを、残さず食べてみてください。それだけが、無理なく続く食卓を整える工夫の入口になります。
日常を整えることが、そのまま非常時の安心につながる。
とらまる
一緒に学ぶ仲間
白いしっぽの先がチャームポイントの、好奇心いっぱいのトラの子。わからないことは素直に「どうして?」と聞くのが得意で、みんなの「聞きたいけど聞けない」を代わりに聞いてくれます。
ふくぼう先生からもらった「まなびのスカーフ」が自慢です。
▶ とらまるのプロフィールはこちら ›関連記事
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