子どもとの食事を楽しむからこそ、見直しておきたい「食べさせ方」の習慣
STEP3|暮らしの設計図
子どもとの食事を楽しむからこそ、見直しておきたい「食べさせ方」の習慣
子どもと囲む食卓は、毎日の暮らしの中でもとりわけ楽しい時間です。その時間を大切にするからこそ、一口の大きさや食べ方の習慣を、少しだけ見直しておきたいと思います。
妊娠中の体の変化にあわせた家の中の安全習慣についてはこちらの記事でお伝えしました。今日は、子どもとの食事を楽しみながら見直しておきたい「食べさせ方」の習慣について一緒に考えてみましょう。
30秒でわかるまとめ
このページが目指すこと
「食事のたびに気を張り詰める」のではなく、「一口の大きさや食べさせ方を、少しだけ見直す」という、いつもの食卓の延長でできる工夫に置き換えることが、この記事の目標です。
まずは、いつもの食卓で、ひとつだけ食べさせ方の習慣を一緒に確認していきましょう。
この記事でわかること
- 食品による子どもの窒息・誤嚥事故が特に多いとされる年齢層
- 窒息のリスクが特に高いとされる食品と、その理由
- 今日から置き換えられる、具体的な「食べさせ方」の習慣
- 窒息が疑われるときの緊急時の行動
- 妊娠中の体の変化にあわせた家の中の安全習慣など、家族の安全習慣とあわせて考える視点
「うちの子、食べるのが早いんだけど、何か気をつけることあるの?」
一口の大きさや食べる姿勢を、少し見直すだけで安心が変わりますよ。
硬いものや球形の食品は年齢にあわせて切り方を工夫すること。それだけで、うんと安心が増えます。
食事を楽しめる人ほど、実は窒息事故も防ぎやすい
子どもと囲む食卓は、味覚が育つ楽しい時間です。「これ好き」「もっと食べたい」という反応を見るのは、育児の喜びのひとつでもあります。
「窒息を防ぎましょう」という入口だと、なんだか特別な対策が必要なように感じてしまいます。でも「一口の大きさや切り方を、いつもの食卓のついでに見直す」だけなら、今日からの延長で始められます。
食事を楽しめる人ほど、実は窒息事故も防ぎやすい。それが、この記事でお伝えしたい考え方です。
「いつも通りに食べさせていただけだった」という声
長年の消防活動の中で、救急搬送に携わる機会を通じて、食事中に子どもが喉に食べ物を詰まらせてしまった事故についての話を耳にすることが、これまで何度かありました。
「いつも通りに食べさせていただけだった」「少し急いで食べさせてしまっていた」——そうした声を、救急搬送に関わる現場で耳にすることが、これまで何度かありました。特別な不注意があったわけではなく、一口の大きさや食べるペースが、日々の忙しさの中でいつの間にか大きく・早くなっていた、という点が共通して印象に残っています。
事故は特別な家庭だけに起きるものではなく、どのご家庭にも起こりうるものとして、そうした話を耳にするたびに感じてきました。
窒息の予防は、食事のたびに気を張ることより「一口の大きさと食べさせ方を、あらかじめ見直しておくこと」から始まります。
1つ目|食品による窒息・誤嚥事故は、5歳以下に多い
消費者庁によると、平成26年から令和元年までの6年間で、14歳以下の子どもが食品による窒息で80名亡くなっており、そのうち5歳以下が73名と9割を占めていたとされています。特に硬い豆やナッツ類は、奥歯が発達していない幼児にとってリスクが高い食品とされています。
同じく消費者庁は、ミニトマトやブドウなど球形の食品も、丸ごと口に入れると気道をふさぐおそれがあるとして注意を呼びかけています。4等分にする、加熱して柔らかくするなどの工夫が案内されています。
2つ目|0〜5歳では避けたい食品がある
こども家庭庁は、0〜5歳の子どもには乾いたナッツ・豆類、もち・白玉団子、いか・こんにゃくなどの使用を避けることを案内しています。離乳期には、えび・貝類・おにぎりのりなど、噛み切ることが難しい食材の使用も避けるよう呼びかけられています。
つまりやすい食材は、柔らかくなるまで加熱するなどの工夫が案内されています。球形の食材は、形や大きさを変える、皮を取り除くなどの工夫もあわせて呼びかけられています。
3つ目|今日から置き換えられる3つの食べさせ方の習慣
こども家庭庁は、食べ物を口に入れたまま遊んだり、話したり、寝転んだりさせないこと、泣いている子どもをあやそうとして食べ物を与えないこと、眠そうなときに食事をさせることも避けることを案内しています。3歳ごろまでは、歯の生え方や噛み砕く力にあわせて、適度な大きさに切って与える必要があるとされています。
①座って、落ち着いた姿勢で食べることを習慣にする
②硬い豆・ナッツ類、球形の食品は年齢にあわせて切り方を工夫する
③遊びながら・泣きながら・眠そうなときには食べさせない
万一、喉に詰まらせてしまったときの行動については「昔ながらの応急手当」が、今も信じられてしまう心の仕組みともあわせて知っておくと、いざというときの安心につながります。
「窒息を防がなければ」と考えると、食事の時間が緊張の時間になってしまいます。でも「一口の大きさと食べる姿勢を、いつもの食卓でひとつ見直しておく」と考えると、気負わず取り組めます。
もしお子さんが窒息のサイン(泣けない・声が出せない、唇が青白い、喉に手を当てる仕草)を示したら、直ちに背部叩打法を行ってください。同時に、ためらわず119番通報してください。窒息は心停止につながることがあり、迷う時間はありません。
今日からできる、3つの小さな一歩
すべてを一度に見直す必要はありません。まずは1つだけ確認してみてください。
今日の食事で、子どもが座って落ち着いて食べられているか確認してみる
ミニトマトやブドウなど、球形の食品を切ってから出す習慣を試してみる
家にある豆・ナッツ類が、子どもの手の届く場所に置いていないか見回してみる
まずは1つだけ、今日の食卓で試してみるところから。それだけで十分な一歩です。
とらまるくんと考えてみよう
気を張り続けるより、一口の大きさと食べさせ方をあらかじめ見直しておく。それだけで、いつもの食卓がそのまま窒息予防の習慣になっていきます。
食事を楽しめる時間と、いざというときの安心は、ちゃんと両立できます。
食べさせ方の習慣 よくある質問
食品による窒息事故は、どのくらいの年齢に多いですか?
消費者庁によると、平成26年から令和元年までの6年間で、14歳以下の子どもが食品による窒息で80名亡くなっており、そのうち5歳以下が73名と9割を占めていたとされています。
特に注意したい食品には、どんなものがありますか?
こども家庭庁によると、0〜5歳の子どもには乾いたナッツ・豆類、もち・白玉団子、いか・こんにゃくなどの使用を避けることが案内されています。ミニトマトやブドウなど球形の食品も、4等分にするなどの工夫が呼びかけられています。
食べさせ方で気をつけることはありますか?
座って落ち着いた姿勢で食べること、食べ物を口に入れたまま遊んだり話したりさせないこと、泣いている子どもをあやそうとして食べ物を与えないこと、眠そうなときに食事をさせないことが案内されています。
もし喉に詰まらせてしまったら、どうすればいいですか?
お子さんが窒息のサイン(泣けない・声が出せない、唇が青白い、喉に手を当てる仕草)を示したら、直ちに背部叩打法を行ってください。同時に、ためらわず119番通報してください。窒息は心停止につながることがあり、迷う時間はありません。
この記事のポイント
- 食品による子どもの窒息事故は、5歳以下が9割を占めるとされている。
- 硬い豆・ナッツ類、もち、球形の食品は、年齢にあわせて切り方や調理法を工夫することが大切。
- 座って落ち着いた姿勢で食べる習慣を、今日から少しずつ整えていく。
- 遊びながら・泣きながら・眠そうなときには食べさせない。
- 窒息のサインが見られたら、直ちに背部叩打法と119番通報を。
まとめ
窒息を防ぐために、食事のたびに気を張り詰める必要はありません。硬い食品や球形の食品を年齢にあわせて切る、座って落ち着いた姿勢で食べる——いつもの食卓の中で、小さな習慣を1つ見直すことが、いちばんの近道です。
食品による窒息事故は5歳以下に多く発生しているとされています。そう知っておくだけでも、食べさせ方への意識が自然と変わっていきます。子どもとの食事を楽しむ時間は、そのままに。
今日、まずはいつもの食卓で、食べさせ方をひとつだけ確認してみてください。それだけが、窒息予防の習慣を整える入口になります。
日常を整えることが、そのまま非常時の安心につながる。
とらまる
一緒に学ぶ仲間
白いしっぽの先がチャームポイントの、好奇心いっぱいのトラの子。わからないことは素直に「どうして?」と聞くのが得意で、みんなの「聞きたいけど聞けない」を代わりに聞いてくれます。
ふくぼう先生からもらった「まなびのスカーフ」が自慢です。
▶ とらまるのプロフィールはこちら ›関連記事
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